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インタビュー

恋するように仕事をする —— ユミカツラが築く“愛され続けるブランド”

株式会社ユミカツラインターナショナル 統括GM Kさん、デザイナー Fさん

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今回お話を伺ったのは、世界的ブライダルブランド「Yumi Katsura」を支える株式会社ユミカツラインターナショナルで、長年ブランドの現場に携わってきたKさんとFさん。
ブランドの歴史・文化・チームの姿勢について語っていただきました。

ブランドを支える
── ユミカツラインターナショナルはどのような役割を担う組織なのでしょうか?

私たちは“Yumi Katsura”というブランドを支える専門チームとして、アクセサリーやブライダル小物の企画、直営店の運営など幅広い領域を担当しています。
桂由美先生の精神を受け継ぎながら、ブランドの伝統と革新を両立させていくことが使命です。花嫁さまに寄り添い、人生で最も特別な日のためのサービスを提供し続けています。

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コロナ禍を乗り越えて掴んだ「BEST TEAM AWARD」
── 今回の受賞について、どのように受け止めていますか?

コロナ禍という大きな困難がありながらも、スタッフ全員が本当に“一丸”になって頑張ってきました。2023年度は過去5年間で最高益を達成することもでき、その歩みが評価され『BEST TEAM AWARD』のグランプリにつながったと思っています。
桂先生が愛したブランドを守り抜く姿勢、そして新しい未来へ進む力──その両方がチームとしての大きな強みだと改めて感じました。

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素通りしない姿勢、小さな気づきを見逃さない
── 現場で大切にしている価値観について教えてください。

ユミカツラの現場には「またいで通るな」という教えがあります。これは単に床に落ちたゴミを拾うといった表面的な意味にとどまりません。目の前の些細な違和感や小さな変化を“素通りせず”に受け止め、行動に移すこと。それこそがユミカツラインターナショナルの文化を支える大切な姿勢です。
たとえば、お客様が何気なくこぼした「本当はこういう雰囲気が好きなんです」という一言や、表情の小さな揺らぎ。それを“気のせい”と流さず、すぐに代替案を考え提案につなげる。その積み重ねが、お客様にとって想像以上の満足体験となり、信頼関係を育んできました。

「小さな気づきを行動に変えることが、信頼や満足につながっていく」。この考え方は、単なる販売スキルではなく、ブランドとしての在り方そのもの。目に見えるドレスやアクセサリーの美しさだけでなく、目に見えにくい“心配り”や“先回り”がユミカツラの強みであり、チーム全体に受け継がれてきた文化です。日常の一瞬を見逃さない姿勢があるからこそ、一生に一度の晴れ舞台を最高の形で彩ることができるのです。

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「恋するように仕事をする」── 受け継がれた言葉
── 桂由美先生が残された言葉について、どのように感じていますか?

桂先生が残された「恋するように仕事をしよう」という言葉は、今もユミカツラインターナショナルのチームに深く根付いています。

心からその仕事に夢中になり、愛情を持って向き合う姿勢が表れたこのフレーズは「自分のためではなく、人のために働く。だからこそ、長く続けられるし、時間を忘れるほど夢中になれる」というメッセージが込められています。この言葉は、スタッフ一人ひとりの原動力となり、時に大変さを感じる現場であっても、前向きに取り組む力へとつながってきました。

恋をするように仕事に没頭するからこそ、新しい発想や挑戦が生まれます。ドレスやアクセサリーをつくるだけでなく、お客様に寄り添う接客や、細部にまでこだわった演出にまで、その“恋心”は表れています。結果として、花嫁やご家族の笑顔につながり、その喜びがまた次の情熱を生み出す──そんな循環がユミカツラの現場には息づいています。

ユミカツラインターナショナルは、仕事を“義務”としてではなく“喜び”として受け止めてきました。愛するように向き合い、日々の情熱を行動へと変えていく。その姿勢こそが、ブランドを支え続ける最大の力となっているのです。

追悼のステージが示したチームの力
── 2024年のコレクションは大きな意味を持つステージだったと聞きました。

はい。先生への追悼の想いを込めた特別なショーで、スタッフ一人ひとりが持てる力を最大限に発揮し、全員が一丸となってステージをつくり上げました。結果的に多くの観客の拍手に包まれ、ブランドの新たな歴史の1ページを刻むものとなりました。

桂先生の不在を超えて、会場を拍手で満たす舞台をつくれたこと。それこそがユミカツラチームの力を示していたと思います。インタビューで語られた言葉には、先生への敬意とともに、未来へ進むための決意がはっきりと表れていました。
さらに、この節目を通じて、組織としての在り方にも変化が芽生えました。チームの誰か一人に依存するのではなく、互いに補い合い、次世代を育てることこそがブランドの継続につながるという認識が、以前にも増して鮮明になったのです。
「人を育ててこそブランドが続いていく」。その想いはユミカツラインターナショナル全体に共有されており、次の世代へとバトンを渡すことが、これからの大きな使命として掲げられています。

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後進への想いと次世代への継承
── これからのユミカツラが大切にしていくことは?

ユミカツラインターナショナルが今後特に大切にしていきたいテーマの一つである「継承」。
桂由美先生が築いた精神を知る世代が、その想いを次の世代に伝え続けていく──それこそがブランドを守り、未来へ発展させるために欠かせない要素だと考えています。単に商品を販売するだけではなく、誇りを持って「ユミカツラのスタッフ」であることを自覚し、お客様に向き合う姿勢を後輩たちに伝えていくこと。そのために、先輩たちは時に厳しく、時に温かく、若い世代に声をかけ続けています。そこには「どうでもいい相手なら指摘しない。愛があるからこそ伝える」という想いが込められています。
また、チームの誰もが「人を育ててこそブランドが続く」という共通の意識を持っています。目の前の成果だけでなく、後進の成長を喜び合える文化があるからこそ、ユミカツラは“100年ブランド”を目指す土壌が整っているのです。

次世代が自信と誇りを持って舞台に立ち、さらに新しい時代を切り拓いていく──その未来を描きながら、今日もチームは歩み続けています。

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